賊軍・朝敵であり、本校創設者である江原素六の伝記。「江原素六は幕末から明治維新にいたる激動を生死の境において体験した人物であった。彼の生涯を通じて顕著なリアリズムと人間的共感性は、その体験の刻印とも言えるだろう。そしてそれらがもっとも結実した場、言い換えれば彼がそのノン・オフィシャル・キャリアを通して丹誠込めて耕し育んだ肥沃な土壌こそ、麻布中学校という小さな学園であった。」(はじめにより)。
筆者はもと麻布中学校・高等学校教諭(世界史)、現在愛知県立大学。